アウトプットのブログ

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【絶唱】

久しぶりに、湊 かなえ の小説を読みました。
ぐっと、引きずり込まれちゃいました。

 

あなたは、どうなりますか、・・・

 

五歳のとき双子の妹・毬絵は死んだ。
生き残ったのは姉の雪絵──。

 

奪われた人生を取り戻すため、
わたしは今、あの場所に向かう(「楽園」)。
思い出すのはいつも、最後に見たあの人の顔、

 

取り消せない自分の言葉、
守れなかった小さな命。

 

あの日に今も、囚われている(「約束」)。
誰にも言えない秘密を抱え、
四人が辿り着いた南洋の島。

 

ここからまた、物語は動き始める。
喪失と再生を描く号泣ミステリー。

 

ではでは

 

絶唱 (新潮文庫)

絶唱 (新潮文庫)

 

 

私が、ゾクッとしたのは、・・・

日本での悲しい出来事を心に残し
遠い地、南の島の、熱心なキリスト教国トンガにて
家庭科の教師をしている女性と友人との会話です。

この先を読めば、
理由は分かりますが、

彼女の心には「日本での悲しい出来事」が
ずっと残っていたのでした。・・・・

 

-なぜ、毎週、教会に通っているの?・・

私は、教会にいるすべての人が、亡くなった大切な人を悼むために、
ここに集まっているのだと思い込んでいた。

それなのに、・・・

-死後に、イエス様ときちんとお話ができるように練習するためよ。

そんなことを言ったのだ。自分の死後のために、教会に通う。

-亡くなった家族や友人のために祈っているのではないの?

確認するように訊いてみた。すると、また質問で返してきた。

-あなたは死を悲しいことだと思っているの?

私は当然だというように、深く頷いた。

-死は悲しいことではない

彼女は少し困った顔をした。
悲しいのは別れであって、死ではない。

むしろ、生きていることが試練であって、
私たちは毎週日曜日に教会に通い、
エス様のお声を聞かせてもらう練習をしたり、

同じ世界に住むのにふさわしい人間になるために日々、
鍛錬を積まなければならない。

つまり、死とは
エス様と同じ世界に住むことが許されたという証で、
喜ばしいことなのだ。

だから、死は悲しむべきことではない。
親しい人との別れは悲しいけれど、

祈りをかかさずにいれば、
いずれまた同じ世界に住み、
話したり笑いあったりすることが
できるようになるのだから


【題 名:絶唱
【著 者:湊 かなえ】
【出版社:新潮社】