平均で一日四時間、若者の二割は七時間も使うスマホ
だがスティーブ・ジョブズを筆頭に
IT業界のトップはわが子にデジタル・デバイスを与えないという
なぜか?
睡眠障害、うつ、記憶力や集中力、学力の低下
依存―最新研究が明らかにするのは
スマホの便利さに溺れているうちに
あなたの脳が確実に蝕まれていく現実だ
教育大国スウェーデンを震撼させ
社会現象となった世界的ベストセラーがついに日本上陸
◆デジタル化が脳に及ぼす影響
ここ数十年ほど急速にライフスタイルが変化したことはない
デジタル関連の習慣だけではなく
これまで人類が体験したことのない種類のストレス
睡眠が減り
座っている時間が増えた
これは脳にしてみれば未知の世界
◆新しい場所を渇望するドーパミン
新しい情報を得ると
ニュースサイトだろうとSNSサイトだろうと
脳の報酬システムが作動する
私達の祖先が
新しい場所や環境を見つけたときと同じように作動する
◆SNSの開発者は
脳が不確かな結果を偏愛していること
どのくらいの頻度が効果的なのかを知り
時間を問わずスマホを手に取りたくなるような
驚きの瞬間を想像する知識を持っている
脳の報酬システムを直撃し
最大限の依存性を実現するために
◆ドーパミン注射
ドーパミンの役割は
何が重要で何に集中を傾けるべきかを伝えること
ここでいう重要とは
祖先を生き延びさせ
遺伝子を残させること
スマホはちょっとした「ドーパミン注射」
スマホは毎回あなたに「こっちに集中してよ」とアピールしている
10分感覚で新しい体験と報酬を与えてくれる存在
それを失うとストレスを感じる
◆人間の脳は悪い噂が好き
人口の1~2割が他の人間に殺されていた世界では
誰が誰に恨みをいだいているか
誰に気を付けた方が良いかといった情報は
食べ物がどこにあるかと同じくらい重要だった
◆私たちは自分のことを話したい
なぜだろうか?
それは、周りの人との絆を深め
他社と協力して何かをする可能性を高めるため
しかも、周りが自分の振る舞いをどう思っているのかを
知るための良い機会にもなり
自分の発言に対する他者の反応を見れば
自分の行動を改善することができる
◆デジタルな嫉妬にさらされる
ヒエラルキーにおける地位は
精神状態に影響するので
SNSを通じて常に周りと比較することで
自信を無くさせている
つまり、
フェイスブックとツイッターのユーザの3分の2は
「自分なんて駄目だ」と感じている
自分より賢い人や成功してる人がいる
という情報を常に差し出されているので
【題 名:スマホ脳】
【著 者:アンデシュ・ハンセン】
【出版社:新潮新書】